1.気候変動の仕組みと原因
地球は、太陽によって温められ、余分な熱が宇宙に放出されることで、生物が生きていく上で、ほどよい温度である平均約14℃に保たれています。太陽からの距離が地球とほぼ同じである月の平均気温は-20℃です。
宇宙へ放出される熱の一部は、二酸化炭素(CO2)や水蒸気などの温室効果ガスのはたらきにより、地球にとどまります。もし、大気中に温室効果ガスが全くない場合、地球の平均温度は約-19℃になると言われています。
このように、温室効果ガスは、本来生物が生きるために不可欠なものです。しかし、現在は二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスがかなり増加したため、地球にとどまる熱が多くなり、平均気温が上昇しています。このことを「地球温暖化」と呼んでいます。
【温室効果ガス】
○大気中に含まれる気体で、太陽や地表からの熱を吸収する性質があります。
○二酸化炭素や水蒸気のほかに、メタン、一酸化二窒素、フロン類などがあります。
出典:温室効果ガスインベントリオフィス(全国地球温暖化防止活動推進センター(JCCCA)ウェブサイト )
2020年度の日本が排出している温室効果ガス排出量のうち、約91%は二酸化炭素です。二酸化炭素の大気中の濃度は過去数百年にわたって280ppm程度でしたが、18世紀半ばから上昇をはじめ、ここ数十年で急激に上昇し、国内の観測地点において2020年時点で410ppmを超えています。
【ppm】(ピー・ピー・エム)
○気体などの濃度を体積比で表示する単位。
1ppmは100万分の1
400ppm=0.04%
なぜ二酸化炭素が増えたのでしょうか。それは、産業革命以降、人口が増えたことに加え、石油や石炭などの化石燃料が大量に消費されてきたからです。化石燃料が消費(燃焼)されると、なかに含まれていた炭素が、二酸化炭素として大気中に排出されます。
そして、私たちの暮らしの中でも、多くの二酸化炭素を排出し続けています。2019年度には、1年間に1世帯あたり約4,000kg(=4t)の二酸化炭素が排出され、約30%が照明・家電製品から、約26%が自動車から、約16%が暖房から排出されています。
このように、色々なことに電気を使い、自動車(エコカーを除く)に乗ることで、私たちの暮らしは便利になりましたが、同時に、地球温暖化が進む原因の一つでもあると言えます。
図 2019年度家庭からの二酸化炭素排出量用途別内訳
出典:温室効果ガスインベントリオフィス(全国地球温暖化防止活動推進センター(JCCCA)ウェブサイト))
※地球温暖化は地球規模の問題なので、広い視点で見ると、もっと様々なことが関係してくることに気づきます。