1.気候変動の影響
地球温暖化が進むと、世界各地で様々な影響がでてくると考えられています。気温上昇が大きいほど、悪影響も大きくなります。例えば、南極大陸等の氷が溶けて海面が上がり、沈む島もでてくると言われています。
日本でも、100年当たりで年平均気温が約1.26℃上昇しており、最高気温で41.1℃を記録するなど(浜松:2020年8月17日、熊谷:2018年7月23日)、各地で異常な猛暑が発生しています。
さらに、東京だとヒートアイランド現象(※)も加わり、年平均気温が100年当たり約2.5℃も上昇しています。
※ヒートアイランド現象:都市の気温が周囲よりも高くなる現象のことで、気温の分布図を描くと、高温域が都市を中心に島のような形状に分布します。
今後、熱中症で亡くなる方が増えたり、デング熱などの感染症の増加で病気になる方が増えると考えられています。令和2年の東京における熱中症搬送者数は5,838人、令和3年は3,372人です。いずれも全国で一番多い数となっています。
図 令和3年 都道府県別熱中症による緊急搬送人員
出典:総務省消防庁ウェブサイト
その他にも、以下のような気候変動による影響も考えられます。
●異常気象が多くなる(高温、大雨、干ばつなど)
●大型の台風が多くなる(高潮や風水害の増加)
●農作物の収穫量が変化する(生産量が減り食べ物の値段が上がる!?)
●陸地が少なくなる(海面水位が1m上昇すると日本の砂浜の約90%がなくなる!?)
●これまで日本に生息していなかった熱帯・亜熱帯の生き物が広い範囲で見られる
●サクラの開花時期が早まる
環境省では、どなたでも視聴できるように「2100年未来の天気予報」を公開しています。この動画は、気候変動政府間パネル(IPCC)第5次評価報告書の2つのケースを想定して作成され、気温上昇を1.5℃に抑える目標を達成できなかった場合の2100年の天気予報です(夏と冬)。
○環境省ウェブサイト「2100年未来の天気予報」
※気候変動の影響は広範囲にわたります。広く間接的な影響を考えれば、もっと多くの関係することが見えてきます。