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もくじ
- 公害について
1.公害について
公害とは、事業活動や人の暮らしの活動によって、人の健康や生活環境(人の生活に密接な関係にある動植物の生息・生育環境等を含む)に被害が発生してしまうことをいいます。
日本では、大気や水質などがとても汚れて、大きな問題になったことがありました。特に、大気汚染、水質汚濁、土壌汚染、騒音、振動、地盤沈下及び悪臭の7種類の公害のことを「典型7公害」と呼んでいます。
出典:総務省ウェブサイト「業務案内 公害等調整委員会」パンフレット
このような公害の問題は、以前と比べれば大きく改善されてきていますが、私たちの住む墨田区などの都市部では、人口も多く建物、乗り物などが集中しており、大気や河川の汚れ、騒音など、引き続き大きな問題であることに変わりはありません。
また、近年では「公害」と呼ぶより、一つひとつ単独の問題として扱われるようになってきましたが、以下のような物質や事象も問題となっています。
○酸性雨
工場や自動車などの燃料として石油や石炭などを燃やすと、硫黄酸化物や窒素酸化物などの大気汚染物質が大気中に排出されます。これらの物質は大気中で酸化されて「硫酸」や「硝酸」などの酸といわれる物質に変化します。これらの酸が雨に溶けこんで地上に降ってきて、pH が5.6 以下の雨を「酸性雨」といいます。
酸性雨の影響で、川や湖が酸性化することにより、魚などが生息できなくなったり、樹木が枯れてしまうなどの被害が発生します。
○ダイオキシン類
ダイオキシン類は、塩素を含むものを燃やしたとき発生したり、化学物質の製造において副産物・不純物として生成されてしまう物質です。不適正な焼却方法でごみを燃やしたり、野焼きなどにより高濃度のダイオキシン類が発生することがあります。また、自動車の排気ガス、たばこの煙などにもわずかではありますが含まれています。
人に対する影響については、発ガン性などの毒性があると言われています。
○光化学オキシダント
「光化学オキシダント」(OX)とは、「光化学スモッグ」の原因となる大気中の酸化性物質の総称です。
工場や自動車などから大気中に排出された汚染物質である「窒素酸化物」(NOx)と「炭化水素」(HC)は、太陽光線に含まれる紫外線を受けて「光化学反応」を起こして、オゾン(O3)を主成分とする酸化性物質がつくられます。これらの大気中の酸化性物質のことを「オキシダント」と呼び、これから二酸化窒素を除いたものが「光化学オキシダント」とされています。
光化学オキシダントは、日差しが強くなる春から夏にかけての日中に発生しやすく、紫外線の弱い冬、あるいは太陽の出ていない夜間には発生しにくい傾向があります。
目や呼吸器などの粘膜を刺激して、人の健康被害が出ることがあります
○PM2.5(ピー・エム2.5)
空気中に浮かんでいる小さな粒子で、その粒径が2.5μm(1μm=1mmの千分の1)以下の大きさのものを「PM2.5(微小粒子状物質)」といいます。
PM2.5には、物の燃焼などによって直接排出されるものと、硫黄酸化物(SOx)、窒素酸化物(NOx)、揮発性有機化合物(VOC)等のガス状物質が、主として環境大気中での化学反応により粒子化したものとがあります。
PM2.5 は肺の奥深くまで入りやすく、ぜんそくや気管支炎などの原因になると言われています。
※公害等の問題は、私たち一人ひとりの健康に大きく関わる問題です。また、私たちの住むまちの動植物にも大きく関わってきます。
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